髙橋卓志シンボル

ぼく?

ぼく?

名前は髙橋卓志(たかはし・たくし)。このオフィシャルサイトが出来上がった日(2018年12月4日)は母がこの世にぼくを産んでくれた70年目の日にあたる。
生を受けた神宮寺で人生のほとんどを過ごし、坊さんとして42年勤めた。2018年5月10日、ぼくは有能な副住職やスタッフにすべてを任せ、この神宮寺を出た。それは以下のような理由からである。ここに至るまでのマイルストーンをこのオフィシャルサイトにちりばめておいた。お時間があったら併せてご覧いただきたい。

再誕の産湯につかる

神宮寺を出る直前、「ああ、終わった!」と感じたのは、正直に言えば、42年にわたる神宮寺での仕事をやり切ったという達成感以上に、いままでずっと沈殿した澱のような仏教界に居たぼくをここで仕舞うことができる、という解放感だった。もうタテマエを気にする必要はない、自分を保全するためにウソをついたり、人の顔色をうかがったりする必要もない。自由に、正直に生きよう。そしてその先にあるぼくなりの仏教にたどり着こう。そのために生き直そう、という思いが、「(いままでのぼくは)終わった!」と感じさせたのだ。
そこには父・勇音和尚と親しく、花園大学の学長(1986~1994年)をされていた盛永宗興老師が入学式で学生たちに向かってこう語った言葉が重なる。
「君たちはいま入学式に臨んでいる。だが、入学したのではない。君たちは『再誕の産湯』に浸かるため、いまここに居るのだ。古い自分を捨て去り、新しく生き直しをするために、ここに居る」と。
いままでのぼくに決着をつけ、生き直しのために「再誕の産湯」につかったら、どんな地平が広がるのだろう。それを見てみたい、そう思った。
神宮寺を去った後、しばらく妻の実家近く(京都)に仮住まいをし、八月、単身でタイに渡った。そしていま、チェンマイ市内の大学でタイ語を学びながら、穏やかに、自由に暮らしている。ぼくは大学では最年長の学生らしい。クラスメートは韓国、メキシコ、ミャンマー、中国、ベトナム、カナダ、香港から16名。ぼくとは五〇歳も年の違う孫世代が何人もいる。記憶力の減衰は致命的だが、新しい言葉を憶えることや穏やかな環境がなんとも新鮮で気持ちよく、楽しい。だが、これが再誕の旅の準備段階だ。そしてこのチェンマイという妥協のない上座部仏教の修行・発揚の地から本格的な再誕の旅を始めようと思う。
どんな旅になるかはわからない。挫折するかもしれない。旅の途上で野垂れ死にするかもしれない。そうなってもぼく自身は一向にかまわない。この旅の出発地点にたどり着いたこと自体が、ぼくには夢のような出来事だったからだ。
さあ、これから! という感じかな?

 

満一歳の僕
満一歳のぼく(1949年)

同級生
パヤップ大学・集中タイ語学科の同級生(2018年)

 

生まれ:1948年、長野県松本市浅間温泉・神宮寺(禅宗・臨済宗 妙心寺派)に生まれる。

学校:松本深志高校から京都・龍谷大学。

坊さんの仕事:1974年~現在

立ち上げ屋:障がい者共同作業所の支援(1978~)/松本市ボランティア連絡協議会(1981)/日本チェルノブイリ連帯基金(1991)/尋常浅間学校(1997〜2007)/長野県NPOセンター(1999)/NPO法人・ライフデザインセンター(2001)/NPO法人・ケアタウン浅間温泉(2002)/NPO法人・NPO夢バンク(2003)/NPO法人・アクセス21(2006)/NPO法人・Mi-Sha(2017)/他

興味の向き・過去の行動:市民活動/NPOとの協働/各国・各種支援事業/寺&葬儀の改革/平和への希求/死の視方/生命倫理/死生観/生命史/医療とのコラボレーション

キーワード:四苦抜苦/地域包括ケア/寺よ、変われ/葬儀・法事を変える/コミュニティ&ターミナルケア/緩和ケア/ビリーブメントケア/リビング・ウイル/傾聴/安楽死・自殺ほう助/原発/原爆/戦争と平和/他

いままでに書いた本:死にぎわのわがまま(現代書館)/現代いのちの用語辞典(水書坊)/『インフォームド・チョイス』(医歯薬出版)/ホスピス 最期の輝きのために【内藤いづみ&鎌田實&髙橋卓志】(オフィス・エム)/寺よ、変われ(岩波新書)/チェルノブイリの子どもたち(岩波ブックレット)/大震災のなかで~私たちは何をすべきか【共著】(岩波新書)/これからどうする【共著】(岩波書店)/奔僧記(信濃毎日出版)/生き方のコツ・死に方の選択【鎌田實&髙橋卓志】(集英社)/最新刊『さよなら、仏教〜タテマエの僧衣(ころも)を脱ぎ去って』 2018年12月11日発売 亜紀書房/他

現在:神宮寺住職(期限は2020年まで・現在は退職同然の身)/龍谷大学文学部大学院・客員教授(実践真宗学)/NPO法人・Mi-Sha理事/NPO法人・ライフデザインセンター理事/NPO法人・NPO夢バンク理事/タイ国・チェンマイ市在住(PAYAP大学生)

いま(2018年)のぼく
いまのぼく(チェンマイにて)

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